2021.12.06 コラム

長らく「条件付き」で販売をして参りました、トナーカートリッジ057Hについて、ICチップの開発に目途が立ち、使用済みチップを新品チップに交換した状態で販売ができる見込みとなりました。今回はこの点について取り上げます。

目次

  1. チップを交換済みとは?
  2. 気になる消費者への影響とは?
  3. まとめ

1.チップを交換済みとは?

これまで「条件付き」として使用済みチップを交換しない状態で販売をして参りました。通常、カートリッジのトナーパウダーが無くなると交換表示が出るわけですが、新しいリサイクルトナーを装着しても、使用済みチップが付いたままの状態ですから、点灯している交換表示が消えません。またその状態で新しいリサイクルトナーを使っても次の交換タイミングが表示で分からないために、印刷のカスレなどが発生してから交換のタイミングを知ることができるという状況でした。今回のニュースは、この不便な状態が解消されて、一般的なリサイクルトナー同様に交換表示が正しく出るようになり、トナーが無くなる前に予備を用意したり、無くなる前に交換ができるようになったということです。

2.気になる消費者への影響とは?

チップの仕入れ価格が非常に高く、従来の商品価格から大幅な値上げをしなければならない状況です。よって従来通り「条件付き」のリサイクルトナーと、チップを交換した通常のリサイクルトナーの2種類が流通するものと思われます。複合機モデルの場合はファックス受信がありますので「条件付き」リサイクルトナーが使えませんでしたが、チップを交換したものが今後発売されるため、複合機モデルでもリサイクルトナーが使えるようになります。

3.まとめ

いかがでしたか?リサイクルトナーは純正品の使用済みを回収して生産します。よって純正品の技術をいわば「活かして」リサイクルトナーという商品を作り上げます。純正品の技術が高くなればなるほど、リサイクルトナーを作るために要求される技術が高くなります。業界としては、元々設計図があるわけでもない状態から純正品を分析して、それに近いものを作り上げてゆく作業を繰り返しているわけですから、良い商品を出すまでに時間が掛かり、市場がリサイクルトナーを強く要求するようになれば「条件付き」でスタートして、やがて今回のような形であとから通常のリサイクルトナーが販売されるようになります。これはある意味、リサイクルトナーを選択するユーザーが不便に感じるようにして純正品を購入させようとするメーカーの戦略です。