2021.08.11 コラム

トナーカートリッジには大容量と小容量という寿命の異なるモデルが準備されていることをご存知ですか?大は小を兼ねると言いますが、大容量は小容量を兼ねてはいけないのでしょうか?正直こうした質問はあまりお受けしません。しかし、コストと品質に関わる大事な情報ですから、リサイクルトナーを販売するプロの観点から「小容量モデルのリサイクルトナーが売られていない3つの理由」というテーマで今回はお伝えします。

目次

  1. なぜ大容量と小容量という寿命の異なるモデルが存在するのか?
  2. 小容量のリサイクルトナーがあまり売られていない3つの理由
  3. まとめ

1.なぜ大容量と小容量という寿命の異なるモデルが存在するのか?

簡単に言えばヘビーユーザー向けかライトユーザー向けかという違いから、寿命の異なるモデルが準備されていると思われます。トナーカートリッジにも消費期限がありますから、ライトユーザーがヘビーユーザー向けの大容量モデルを選んでしまえば、使い切る前にトナーパウダーそのものやカートリッジ本体が劣化し、メーカーは品質保証が出来なくなるでしょう。高いお金を払って最後まで使い切れないのはもったいない事ですね。それ以外にも、印字比率が低い印刷内容がメインであるユーザーが大容量モデルを使うと、トナーパウダーがなかなか無くなりませんから、交換サインが出る前にカートリッジ本体の部品が摩耗劣化して高い印刷品質が保てなくなることがあります。

2.小容量のリサイクルトナーがあまり売られていない3つの理由

①小容量モデルの需要がほとんどないため

ずばり売れません。それだけです。

②小容量モデルと大容量モデルの価格差が付けにくい

大容量であろうと小容量であろうと、リサイクルトナー工場で加工に必要とされる手間はほぼ同じです。異なると言えば、充てんされるトナーパウダーの量だけでしょう。その量の違いも数百グラムで、モノクロトナーカートリッジであれば、コストとしてそれほどの違いがありません。小容量の寿命が大容量の半分以下だからと言って、価格を半分以下にはできないのです。

③小容量のリサイクルトナーを選ぶべきユーザーは大容量の純正品を使ったほうがお得という事実

リサイクルトナーを使いたいというお客様の中には、明らかに日々の印刷内容から判断して小容量モデルが適しているというお客様がいらっしゃいます。しかし、小容量モデルのリサイクル品がたとえ販売されていたとしても、1枚単価を考えると純正品の大容量を選んだほうがお得で安心なこともあるのです。この1枚単価は、リサイクルトナーまたは純正トナーの購入価格をそのカートリッジの寿命で割った数値がそれにあたります。例を挙げてみてみましょう。とあるECサイトでこの記事を書いている時点での価格で計算してみます。

ア)キヤノン カートリッジ519 リサイクル 寿命2,100枚 税込み価格 6,799円

→ 1枚単価 6,799÷2,100=3.24円

イ)キヤノン カートリッジ519Ⅱ 純正品  寿命6,400枚 税込み価格 21,590円

→ 1枚単価 21,590÷6,400=3.37円

いかがですか?ほとんど変わらないでしょう?純正品だったらメーカーは修理してくれますね?また、純正品に使われている感光体ドラムの耐久性は、リサイクル用感光体ドラムの耐久性の2倍以上あると言われていますから、小容量モデルが適しているユーザーは純正品の大容量を使ってみるとよいでしょう。それでだめなら小容量タイプのリサイクルがあれば使ってください。間違ってもお得だからという理由で大容量モデルのリサイクル品を選んでしまうと後から面倒なことになりかねません。

3.まとめ

いかがでしたか?小容量のリサイクルトナーがあまり売られていないのは、需要の低さやコストメリットの低さが理由でした。大容量のリサイクルトナーでしっかりコストダウンができるのであれば、大容量モデルを選んでください。