リサイクルトナーの品質を疑問視する傾向は依然として残っています。SDGsに沿った商品であるとはいえ、やはり品質不安があれば手を出せないもの。実はリサイクルトナーを製造するメーカーや、その関連企業が集まって工業会を作っています。日本カートリッジリサイクル工業会(AJCR)と呼ばれ、このコラムを執筆する時点で正会員と賛助会員の合計29社が名を連ねています。この工業会が品質に関する認証を作っていることをご存知ですか?
目次
- AJCRが作る品質に関する認証E&Qマーク
- E&Qマークが保証すること
- まとめ
1.AJCRが作る品質に関する認証E&Qマーク
リサイクルトナーカートリッジの市場シェアが25%からなかなか上がらず、業界が価格競争に陥り始めたとき、AJCRはアンケートを行いました。それは、「なぜリサイクルトナーを選んでくれているのか」という市場の声を知るためでした。結論から言うと、そのアンケートの結果で分かったことは、安いからリサイクルトナーを購入する企業が最も多いということ。また、現在純正品と使っているユーザーは今後もリサイクルトナーを使わないという、業界にとってはちょっとショックな結果もアンケートで分かりました。リサイクルトナーの市場シェアが広がらない理由として品質に関する不安があることも分かり、業界として品質をあげるためにE&Qマークが制定されました。
2.E&Qマークが保証すること
E&Qマークは第三者の認定機関があり、その機関に商品を持ち込むと指定の試験方法で性能を評価してくれます。合格するとE&Qマークが交付されるのですが、このE&Qマークはどんなリサイクルトナー品質を保証しているのでしょうか?答えはカートリッジの寿命です。この基準は「エコマーク」の基準と同等の基準になっていて、純正品の寿命に対して90%以上を保証するというものです。印刷環境やカートリッジの状態によって寿命は変動しますので、ある程度のバラつきが出る事を前提に、純正品寿命の90%以上あれば合格という基準でE&Qマークが交付されます。
3.まとめ
いかがでしたか?E&Qマークは品質の証です。そして品質で保証されるのは寿命だけです。ですからE&Qマークがついたリサイクルトナーを選ぶことによって、少なくとも寿命だけは保証されることを念頭に選択基準の一つにすると良いかもしれません。