2023.01.27 コラム

複合機メンテナンスを行うためにお客様を訪問するとよく目にする光景があります。その光景とは給紙トレイに関係する光景です。「それって故障の原因になりますよ」とアドバイスさせて頂くのですが、それは一体どんな光景でしょうか?

今回は「やっていませんか?複合機が故障する紙の給紙方法を・・・。」と題してお伝えします。

目次

  1. やっていませんか?余った紙のこんな保管方法
  2. なぜ故障する?
  3. まとめ

1.やっていませんか?余った紙のこんな保管方法

一般的な複合機の給紙トレイは4段。その4段のほどんどはA4サイズの用紙がセットされていると思います。複合機はA3サイズのものが一般的なサイズですから給紙トレイもA3が収納できるようになっています。A3の複合機でA4をセットする場合、普通A4用紙を横向き、つまり用紙の長辺が先頭に来るようにセットすると思います。するとその横にぴったりA4が収納できるスペースが現れます。メンテナンスにお伺いするとこのスペースが物置として使われているのです。余ったA4用紙が保管されていることもあれば、取り扱い説明書が保管されているケースもあります。どちらの場合にせよこの余ったスペースの使い方は故障の原因になります。

2.なぜ故障する?

なぜ故障するのでしょうか?給紙トレイは1000枚程度の用紙を保管できるくらいの深さがあります。この深いということが関係しているのですが、用紙が満タンになっている場合は給紙トレイの上の方から紙が無くなってゆきますから問題はありませんが、だんだん紙が減少してくると給紙トレイの底に近い位置から紙が出ていくことになります。紙をピックアップするローラーは固定された位置にありますから、給紙トレイ内の紙が減ってくると、給紙トレイの底にある金属製プレートが上に上がってくるような構造になっていて紙を給紙トレイの上のほうからピックアップできるように紙を下から支えているのです。しかし、余ったスペースに余分なものを入れていると、その金属性プレートが紙の減少に応じて上に上がってくることを余分なものが妨げてしまうため、金属プレートを上に持ち上げるための給紙トレイ側面にあるギヤが壊れてしまうのです。これは紙詰まりの原因になる故障になります。

3.まとめ

紙は一般的に500枚が一束になっています。しかしすべて収納できない場合に給紙トレイの空きスペースに余った紙をついつい置いてしまいがちです。実はこれが故障の原因になるとは多くの方が思っていないはず。むしろいい場所を見つけてしまったくらいの感覚かもしれません。しかし故障して困るのはお客様です。業務が止まり、場合によっては余分な時間を印刷に費やすことになりかねません。