2023.04.09 コラム

リサイクルトナーを販売していると、印刷の濃度が薄いとまれに苦情を受けることがあります。どうやら日本人はくっきり濃い濃度のものを好むように思います。リサイクルトナーはその品質が純正品と同等と宣伝しています。同等とみなす項目の中に印刷の濃度があります。ではリサイクルトナーはその印刷濃度をどのように管理しているのでしょうか?今回のテーマは濃度に関することです。

目次

  1. 濃度をなぜ測定するのか?およびその測定方法
  2. 薄いと感じたら?
  3. まとめ

1.濃度をなぜ測定するのか?およびその測定方法

なぜ印刷物の濃度を測定するのでしょうか?それは薄いと感じた場合に以下のことをお客様がイメージするからです。それは

①プリンターの故障ではないか?故障でないなら、トナーがなくなって来たのか?トナーも残っているなら、トナーカートリッジの不具合ではないか?というように混乱する。

②レターヘッド部分の濃度が薄い場合に書類がすこし貧相に見えてしまうのではないか?

③書類を受け取った人が読みにくくなるのではないか?

などなど。

印刷濃度測定方法については様々な方法がありますが、

A 測定器を使って数字で把握する

B 画像パターンで目視で確認する

の二通があります。ではAはどのような方法があるのでしょうか?3つあります。

  1. Densitometry(濃度測光法) – 印刷物の濃度を光の吸収率によって測定する方法です。光源からの光が印刷物に照射され、透過した光をセンサーで受信し、その光の強さを測定します。これにより、印刷物の濃度を推定することができます。
  2. Spectrophotometry(分光光度法) – 印刷物の色の成分を波長によって分析する方法です。印刷物に照射された光が、さまざまな波長にわたるスペクトルを示し、センサーで吸光度を測定することにより、印刷物の色の成分を測定することができます。
  3. Image analysis(画像解析法) – 印刷物の画像をデジタル的に取り込んで解析する方法です。印刷物の画像を取得し、その明るさや色の変化を解析することにより、印刷物の濃度を測定することができます。

これらの方法のうち、Densitometryは最も一般的な方法で、印刷物の濃度測定に広く用いられています。測定器を使って印刷物の四隅に少し大きめの正方形でべったり黒色を印刷した部分に機器を当てて測定します。

ではBの目視による方法とはなんでしょうか?先ほどのAの方法を使うには少し大きめの黒くて四角いべったりした印刷部分が必要でした。しかしエクセルなどで作った表の中にはとっても細い線が含まれていることがあります。その線が途切れ途切れになっていないかどうかは目視でしか判断できません。

またハーフトーンといいますが、グラフを作る場合にグレーを使って識別させることが効果的なのですが、そのグレーの部分がはっきりと区別できるようになっているのか?も数値で把握はできますが、目視が最も効果的です。

このように印刷物を薄いと感じることがないように二つの方法を用いて濃度の測定をしているのです。

2.薄いと感じたら?

リサイクルトナーを使っていて薄いと感じる場合に考えられるのは3つ。それは、

①トナーがなくなった。

②トナーカートリッジに不具合が発生している。

③プリンターが劣化してきた。

この3つにほぼまとめられます。で、最も疑われるのが②の「トナーが悪い」という状況。この状況はトナーカートリッジの交換で改善できた場合に②と結論づけることができますが、交換でも改善できない場合は③を大きく疑ってみる必要があります。が、この時点でお客様は怒り心頭です。「トナーが悪い」が「また次のトナーも悪い!どうしてくれるんだ!」となるからです。ここを冷静に③と疑ってみて対処できる営業の方から購入している企業様はよい担当が付いていると思います。

3.まとめ

いかがでしたか?薄いのは時として苦情につながります。どんなものでも故障はあります。その時にどのように対応できるのかを心得ている担当からリサイクルトナーの購入をしているのか?ちょっと心配だなあと思った方はエスアイエス・パートナーズまでご相談ください。