2021.08.18 コラム

今回は紙のお話。紙と言って困るのが紙詰まりですね。特に湿気の多い梅雨時には、紙が詰まって大変というご経験もお有りかもしれません。プリンターメーカーには紙だけを研究する部署もあり、紙がいかに大切なものかということが分かります。しかし実際のところ、プリンターメーカーが販売する紙はとても高いので、コストも抑えつつ上手に紙詰まりトラブルを減らす方法を考えてみましょう。

目次

  1. 紙が詰まる理由
  2. 紙詰まりを減らす3つのポイント
  3. まとめ

1.紙が詰まる理由

いくつか理由はありますが、その一つは紙の繊維が短い場合に紙詰まりが発生しやすくなります。再生紙を使う場合は、この繊維が短いケースが多々ありますので注意が必要です。ではなぜ繊維が短いとダメなのでしょうか?理由は、繊維が短いと紙にコシが無くなるからです。コシがないとは、紙を折り曲げても元の形に戻りにくいのです。プリンター構造の話ですが、用紙の搬送される経路内で紙が詰まらないように「曲率分離」といって、紙のコシを利用して回転するローラーに紙が巻き込まれないように設計されています。コシのない紙は曲がっても戻りにくいので、ローラーの回転に巻き込まれ、プリンター内部で紙詰まりが発生します。

もう一つの理由は、紙が湿気を帯びることです。空気中の湿気を紙は吸ってしまいます。それも驚くほど簡単に速いスピードで吸います。では紙が湿気を吸うとどうなるか?プリンターの内部ではトナーを紙に固定する工程(定着)で紙に温度を掛けます。その温度はプリンターのモデルによって異なり、130から200度と少し幅が広いのですが、この定着と言う工程で紙に温度が掛かると、高温に熱せられた紙の面と熱せられない面との水分差、簡単に言うと表裏の水分差が発生して紙がカールしてしまいます。カールした紙は回転するローラーに巻き付いたり、引っかかったりします。

2.紙詰まりを減らす3つのポイント

①紙はなるべく買ったときにくるまれている包装紙の中で保管する

包装紙は湿気を吸わないように紙を保護する目的で使われています。なるべく使う分だけプリンターに入れるようにして、それ以外は包装紙に包まれた状態で保管しましょう。

②なるべくコシのある紙を使用する

トラブルが多いのは繊維が短い再生紙のようなコシのない紙です。学校でよく使用される藁半紙と言うのがありますが、その藁半紙みたいな柔らかい紙です。今でも少し茶色いコシのない紙を役所では使っていますが、梅雨どきになると本当によく紙が詰まります。「紙を変えてください」とお願いしても、「契約で決まっているので途中で変えられない」と言われることもあり、トナーを納品する会社としてはとても頭が痛い「紙問題」ですが、再生紙でもしっかりとしたコシのある紙をつかうことで紙詰まりを減らすことができます。

③国内で製造される良質な紙を使用する

輸入紙はトラブルが多い印象です。特にホームセンターで販売されている紙は使える紙が全くないと言って良いくらい。触るとよくわかるのですが、表面がザラザラしています。紙詰まりでお困りのお客様のプリンター点検に行くと、ホームセンターで販売されているような安価な紙が使われていることが多く、紙を変えることで改善したということが多々あります。プリンターが新しい時にはそのような紙を使っても問題が発生せず、1年くらいすると問題が表面化するということもありますので、紙はできるだけ日本製の紙を選んでお使いいただくことをお勧めいたします。

3.まとめ

いかがでしたか?トナーと紙はオフィスの2大コストと言われています。トナーの費用を削減する会社は、必ずと言って良いほど紙の費用も削減します。しかし、良い紙を使わないと、また紙を良い状態で保管しないと業務に支障が出ますから、十分吟味して良い紙を良い状態でお使いください。また、どういう紙を使用したらいいのかよく分からない方、紙詰まりでお悩みの方は是非一度、弊社までお気軽にお問合せください。