2021.08.19 コラム

機械にトラブルはつきものです。プリンターをお使いのお客様から時々トラブルでご相談があります。一刻を争う状況かもしれませんから、担当者は気が動転していることもあります。とにかく来てほしいと…。ですがすぐに行ける状況ではない場合に、ある程度の知識があれば、対処することもできるのがレーザープリンターです。そこで今回は、トラブルが発生したときの対処の仕方についてお伝えします。

目次

  1. トラブルでまず対処してほしいこと
  2. モノサシがあればわかるプリンターか?カートリッジか?の見分け方
  3. まとめ

1.トラブルでまず対処してほしいこと

トラブル発生!その時はどうしたらよいか?ここはカートリッジのタイプ別に分けて考えてみましょう。

①一体型カートリッジの場合

先ずはカートリッジを交換しましょう。一体型の場合はプリンターかカートリッジかの二択になります。カートリッジを交換しても改善しない場合はプリンター本体の可能性が高くなります。

②分離型カートリッジの場合

先ずはドラムカートリッジを交換してみましょう。というのは、紙との接点があるのはドラムカートリッジだからです。「トナーが悪い!」と慌てて判断し、トナーカートリッジを交換される方もいますが、たいていの場合改善しないはずです。というのは、一部のメーカーやモデルを除き、トナーカートリッジはトナーパウダーが充てんされている単なる容器に過ぎないからです。紙との接点があるのがドラムカートリッジ。ですから、ドラムカートリッジを交換することで改善する可能性がぐっと高くなります。もしドラムカートリッジを交換しても改善が一時的なものであれば、トナーカートリッジに充てんされているトナーパウダーの品質が良くないことが考えられますから、販売店に問い合わせて、どのような種類のトナーパウダーが入っているのかを確認しましょう。純正品と同じ製造方法のパウダーでない場合は、カートリッジの購入先を変更したほうが良いかもしれません。

2.モノサシがあればわかるプリンターか?カートリッジか?の見分け方

プリンターを長い間使っていると、プリンターの定期交換部品も劣化します。劣化は、紙詰まりや、白い部分が汚れて印刷される現象として現れます。紙詰まりは紙を交換して試してみれば良いのですが、白い部分が汚れる現象とはどのようなものなのでしょうか?代表的な汚れの一つに「二重写り」があります。プリンターには定着器というユニットがあり、紙の表面に乗っているトナーパウダーを紙に固着させるための定着ローラーが内蔵されています。130~200度くらいの高温になるローラーですが、このローラーに劣化が生じると「二重写り」が発生します。劣化とは、ローラー表面のコーティングがはがれてしまい、ローラー表面にトナーパウダーが付着してしまう状態を指します。この「二重写り」は一定の周期で現れます。ローラーは回転しており、ローラー表面に残ったトナーパウダーが次の回転で紙に移ってしまう。「あ」という文字を印刷したら、一定の間隔で、後ろのほうに「あ」と印刷がされます。たいていの場合、二回目はうっすらと読み取れないくらいの印刷です。間隔はローラーの円周です。そこでモノサシの登場です。ローラーの円周はプリンターによって異なりますのでなかなか断定できないのですが、カートリッジの中にも感光体ドラムと言うローラーがあり、感光体ドラムの円周がほぼ9.5㎝と分かっていますから、それ以外の間隔であればプリンターが劣化していると判断できるのです。この感光体ドラムに起因して二重写りが発生することがありますので、筆者もこのモノサシを使って、現場でプリンターかカートリッジかの切り分けを何度も行いました。

3.まとめ

いかがでしたか?トラブルが発生すると本当に困りますね。今回ご紹介したのはトラブルシューティングのほんの一部です。これに当てはまらない場合も多々あります。しかし、非常に簡単な方法ですからプリンターの担当者は豆知識として知っておくと良いでしょう。