2021.10.08 コラム

今回のテーマはSTMC。トナーカートリッジの箱に張り付けられている国際的な認証マークについてお伝えします。

目次

  1. STMCとは?
  2. STMCが付いているトナーは安心なのか?
  3. まとめ

1.STMCとは

STMCはStandardized Test Methods Committeeの略であり、リサイクルトナーの品質基準や品質テスト方法をまとめたものです。STMCの認証を受けるには、I-ITCというリサイクルトナーの普及を推進する団体とロチェスター工科大学(R.I.T.)で認証されたトレーナーに充分な指導訓練を受け、必要は試験機を備えていることが認定されなければなりません。STMCは商品単位ではなく、工場単位で認証が付与されます。ですから、どちらかと言えばISO9000のような品質に関する認証に近いものと言えます。

2.STMCが付いているトナーは安心なのか?

STMCは日本の工業規格であるJIS規格や国際規格であるISO規格のような様々な工業製品を対象とする規格とは異なり、リサイクルトナーに特化した規格と言われています。STMCでは、カートリッジの分解や清掃、トナーの充填や印字テストなど、リサイクルトナーにとって重要な項目基準が多数定められていますが、おそらくそれらの規格の中で消費者にとって安心できる項目がどれかとなれば、寿命を測定する方法に関する規格であると思われます。純正品と同等ですと言われて購入してみたものの、純正品の半分しか印刷できなかったということになれば、結果として安い買い物になったのかどうか?となりますから、STMCの認証が付いている商品を購入すればコスト的には損はしないでしょう。また、STMCは一体型のカートリッジしか対象にしていません。分離型、つまりトナーカートリッジとドラムカートリッジが別々のユニットになっているものはSTMCの対象にはなりませんから注意が必要です。また、、「互換トナー」と呼ばれる、いわゆるリサイクル品ではないトナーカートリッジにもSTMCの認証が貼られてネットで販売されていますから、リサイクルトナーに特化した規格とはいえ、消費者を惑わすような商品にもSTMCが貼られていることも気になります。

3.まとめ

いかがでしたか?STMCを入札参加資格の一つとしている自治体もあります。しかし、STMCで保証されるのは純正品と同等の寿命であるということ。それ以外の品質については、例えば最後まできれいに印刷できる品質かどうか?途中で異常音は発生するようなことはないか?残り寿命は正しく表示されるICチップが付いているか?などは別の観点からの品質管理になりますので、STMCは参考レベルで考えておくくらいで良いでしょう。