リサイクルトナーを製造するための原材料価格が上昇しています。とりわけ、ICチップの価格が上昇しており、一部のモデルについては5倍に跳ね上がっています。リサイクルトナー製造メーカーはこうした状況に対応するため、原材料の見直しを開始しているようです。では、これらの見直しが価格や品質にどのような影響を与えるのでしょうか?今回のテーマはこの話題です。
目次
- どのような原材料が値上げになっているか?
- リサイクルトナー製造メーカーの対応とは?
- まとめ
1.どのような原材料が値上げになっているか?
値段が上がっているのは、ICチップとカラートナーです。ICチップは半導体の影響です。この問題が解消されたのち値段が元に戻るのかどうかですが、ICチップの製造については中国が主導権を握っています。よって、中国メーカーが今後値段を元に戻してくるかどうかは疑問です。このまま高値で推移すると思われます。また、カラートナーは樹脂などの価格アップが影響していると思われます。トナーパウダーには磁性と非磁性の2種類がありますが、カラートナーパウダーは非磁性です。磁性体が入っていない分だけ重量比で樹脂などの量が多いので、樹脂系原材料価格アップの影響を受けやすいのです。
2.リサイクルトナー製造メーカーの対応とは?
工場出荷価格を値上げしないように工夫をしています。一部のメーカーは重合トナーの使用をやめて、粉砕トナーに変更しようとしています。本来、純正品が重合トナーパウダーの商品は、リサイクル品も重合トナーパウダーを採用することが高い品質を保つ鍵になりますが、ある程度の不具合発生を許容してでも粉砕トナーパウダーを採用することで収益を確保しようとしているようです。また、多くのメーカーは代理店販売をしています。代理店に値上げの要請を行うと、たちまち値上げをしないメーカーに仕入れ先を変更されてしまう不安から、各メーカーは値上げをしないように工夫をしてくるでしょう。もっと安い材料に変更したり、生産性を改善するなどの工夫をするはずです。数年前に送料が上がり、製造メーカーはその値上げ分の吸収に随分苦労したようです。特に、リサイクルトナーは納品と回収に両方の運賃負担になるため、本当に厳しい状況となりました。ここで更に原料が上がることで収益性がさらに下がりますので、一部の商品については多少の品質ダウンを覚悟するのか、あるいはそれも出来ない場合は最終手段として値上げはあるかもしれません。
3.まとめ
いかがでしたか?リサイクルトナーの市場シェアはこの10年間ずっと横ばいでした。SDGsの流れがあるとはいえ、ペーパーレス化の波も受けることを考えると市場は純正品も含めて縮小しますから、メーカーは生き残りをかけてくるでしょう。こうした背景がリサイクルトナーの品質ダウンにつながるのであれば、お客様からの信用を失うことになり、業界としても危機に直面するでしょう。このような状況下でエスアイエス・パートナーズではカラートナーカートリッジの品質ダウンや価格のアップは行いません。これまで通りの価格とサービス、そして品質で良い商品をお届けして参ります。