2021.11.19 コラム

少し前の経済新聞にこんな見出しが載りました。

「互換インク排除、独禁法違反認定」

さて、どんなことが起きていたのでしょうか?今回は特許を巡る裁判について記事をもとにお伝えします。

目次

  1. 互換インクの裁判とは?
  2. 消費者にとってどんな影響があるのか?
  3. まとめ

1.互換インクの裁判とは?

10月2日の経済新聞では、インクジェットプリンターの設計を変え、純正品のカートリッジしか使えないようにする対応で市場から排除されたとして、互換品のカートリッジを販売するエレコムが、ブラザー工業に約1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は1日までに、独占禁止法違反(不公正な取引方法)を認め、約1500万円の支払いを命じたと報道しています。互換インクというのは、使用済みのカートリッジを回収してリサイクル品として販売する方法とは異なり、容器自体を製造して、そこにインクを充填することで商品として販売するやり方です。使用済みカートリッジを回収しなくても良いので、生産量を限りなく増やすことができます。容器の形状やICチップに関して、これまでキヤノンやエプソンが裁判で争ってきました。インクについてはメーカーが負けることはほとんど考えられなかったので、この記事を読んで時代が変わったなあと感じました。

2.消費者にとってどんな影響があるのか?

純正品のインクが高いので、リサイクル品や互換品を購入して使う方には朗報かもしれません。参考までにAmazonでどれくらいの価格か調べてみると、4色パックで税込み3,755円という金額が出てきました。大容量の4色パックが9,455円ですから、1色あたりは大容量で2,500円くらいですね。これを高いと思うか安いと思うかですが、レーザープリンターのトナーカートリッジの1/10にも満たない金額ですから、トナーを販売している側からすると純正品でも十分安いということになります。では、品質はどうか? 10年前なら純正以外のインクはお勧めできませんでした。現在は、インクの質も向上してきたようです。以前からインクは海外のインクメーカーが作っていましたので、正直なところ色のついた液体程度のレベルであったことは否めません。しかし、あまりにも質が低いので、使う側が嫌気がさしてしまうわけです。そのあたりはメーカーも分かってきたようで、インクの質をかなりのレベルまで上げてきていると言われています。ただし、インクジェットプリンター自体の耐久性が高くありませんから、長く使いたいのであれば、それほど高くはありませんから純正品を選んでもよいのではと思います。

3.まとめ

いかがでしたか?少し前までは互換品は使っていけないものでした。いわゆるニセモノです。しかし、このような記事が経済新聞に掲載されると、知的財産を尊重していることが前提ですが、徐々に受け入れられていくのかもしれません。そして、トナーカートリッジの世界にも、この互換品が受け入れられる時代が来る、もしかしたら来ているのかもしれません。