2023.01.11 コラム

1月8日の日経新聞にこんな見出しが出ました。

「営業情報漏洩、摘発5倍に」

デジタル化で「情報資産」が急増し、その保全や不正対策が急務になっているというのです。

ペーパレスが進むことで多くの情報がクラウドサービス上に保存されます。どこでも、いつでも本人のIDとパスワードがあれば情報にアクセスできます。もちろんデータをCSVなどでダウンロードもできます。

ではこのような時代に、経営者はどのように会社の情報資産を保全したら良いのでしょうか?

目次

  1. 今会社で起きている情報資産をめぐる心配な出来事
  2. 経営者は今何をすべきか?
  3. まとめ

1.今会社で起きている情報資産をめぐる心配な出来事

まずクラウド上にあるデータは簡単に複製ができます。弊社も、とある有名なCRMを使っていますが、リードも含めて顧客情報は簡単にCSVでダウンロードできます。技術的な情報は会社も漏洩に目を光らせていますからアクセス権が設定されていることが多いのですが、営業情報はパート社員のような立場でもそれらの情報を普段から使って仕事をしていますから、簡単にアクセスして外に持ち出すことができます。

日経新聞の報道では、全国の警察による営業秘密侵害事件は21年に23件。内訳は営業情報が19件、技術情報が3件、両方を含むケースが1件と営業情報が圧倒的に多い。

転職者が情報を持ち出して転職先でそれを使うということが最も多いのではないかと思われますね。

2.経営者は何をすべきか?

日経新聞によるとクラウド上で取引先などの営業秘密を共有する企業はアンケートの回答2142社のうち23%。うち、いちいち設定が適切かどうか?を定期的に確認しているのは38%で、アクセス記録の分析や監査まで実施する企業の割合は1~2割にとどまるのだとか。さて、このような状況で経営者は何をすべきでしょうか?

一つは、何が部外秘情報なのか、何が社外秘情報なのかを明確に分類しておくことが必応です。「それって部外秘だったんですか?」みたいな状況では漏洩が起きても社員を責められません。

また、転職者は良い評価を早期に得たいために前職の秘密データを会社に持ち込むかもしれません。まさに、あのかっぱ寿司に転職した社長ははま寿司のデータをファイル転送サービスを使って不正に複製してかっぱ寿司の商品原価と比較する資料を作り使用したという事件があった通りです。このようなケースに備えて転職してきた同僚から情報を聞き出したり使ったりしないような社員教育を行う必要があるかもしれません。

3.まとめ

いかがでしたか?正直、これなら安心という対策は無いようです。事業を効率的に行う改善はこれからも必要で、クラウドサービスはますます活用するでしょう。経営者はこの事実をしっかりと受け止め、

①これまで通り業務の効率化を図るためにクラウドサービスの活用を進める

②何が外に持ち出せない情報なのかをキチン定義する

③社員を徹底的に教育する

これを続けてゆきましょう。