2026.09.30 課題解決

ウイルス対策ソフトだけで大丈夫?名古屋市の税理士法人が、事務所移転を機に見直したネットワークの守り方

税理士法人のセキュリティ対策では、パソコンを守る対策に加え、事務所の通信を見守る仕組みを整えることが大切です。

顧問先の決算資料、給与情報、個人情報などを扱う事務所では、情報の流出だけでなく、データが使えなくなり業務が止まることにも備える必要があります。

今回は、愛知県名古屋市の従業員17人の税理士法人様に向けて、ネットワーク防御機器を出荷した事例をご紹介します。事務所移転に伴う通信環境の確認から、専任のIT担当者がいなくても運用しやすい対策をご提案しました。

今回出荷した製品とサービスの仕様

今回選定したのは、Check Point社製のUTM「Quantum Spark 2560」です。UTMとは、複数のセキュリティ機能をまとめ、事務所のインターネット出入口で通信を検査する機器です。

項目 今回の製品・提案構成
メーカー Check Point Software Technologies
製品名・型番 Quantum Spark 2560
機器の種類 UTM・ネットワーク防御機器
セキュリティ契約 NGTP 7年間付属
ネットワーク接続仕様 10GbE SFP+ポート×2を搭載
主な役割 不正アクセスや不審な通信への対策、通信ルールの管理
設置する場所 事務所のインターネット出入口
選定の考え方 現在の利用状況と、今後5年程度の従業員増加を考慮
監視サービス 平日9時~17時のSOCサービスを活用する提案
監視サービスの費用 今回の提案では無償。適用条件・対応範囲は個別にご案内

2560の10GbE対応は、接続ポートの仕様を示します。すべての通信をセキュリティ検査しながら常時10Gbpsで処理できるという意味ではありません。実際の性能は、利用する機能や通信内容、接続構成によって変わります。

納品先情報:愛知県名古屋市の税理士法人

項目 内容
業種 税理士法人
地域 愛知県名古屋市
従業員数 17人
納品番号 202093001
ご相談のきっかけ 事務所移転に伴う複合機の配線工事・通信環境の確認
今回の対応 ネットワーク防御機器の選定・出荷

本記事は出荷時点の事例です。以下では、ご相談内容と提案の考え方、導入によって期待できる効果をご紹介します。

ご相談の背景:顧問先の情報を守りたいけれど、何から始めればよいか分からない

今回のお客様は、パソコンにウイルス対策ソフトを導入していましたが、事務所の通信をまとめて検査する専用の仕組みは整っていませんでした。

社内にITやセキュリティの専任担当者がおらず、日々の税務・会計業務を優先するなかで、通信環境の見直しまで手が回りにくい状況でした。

心配されていたのは、次のようなことです。

  • 顧問先の個人情報や企業情報が外部に漏れてしまう
  • パソコンの感染により、申告や給与計算などの業務が止まる
  • ランサムウェアによって、大切なデータが使えなくなる
  • 不審な通信があっても、社員だけでは気づけない
  • 顧問先への対応や復旧作業に、多くの時間を取られる

税理士法人にとって、情報を守ることは、顧問先との信頼を守ることでもあります。そこで、社員様の負担を増やしすぎずに取り組める基本対策から検討しました。

事務所移転が、通信環境を見直すきっかけに

今回のご相談は、最初からセキュリティ機器の導入を目的としたものではありませんでした。

事務所移転に伴い、新たに導入した複合機の配線工事を行うなかで、回線終端装置であるONU周辺の接続状況を確認しました。その過程で、事務所の通信を検査する専用機器が設置されていないことが分かりました。

機器の有無だけで安全性が決まるわけではありません。既存の対策と業務内容を合わせて確認したうえで、顧問先の情報を扱う事務所として、ネットワーク側の防御を補う必要があると考えました。

事務所移転は、回線や配線だけでなく、情報の守り方も見直せる良い機会です。

ウイルス対策ソフトとネットワーク防御機器の違い

ウイルス対策ソフトとUTMは、主に守る場所が異なります。どちらか一方に任せるのではなく、役割を補い合う構成を考えます。

対策 主に守る場所 主な役割
ウイルス対策ソフト 各パソコン 不正なファイルやプログラムの検知・対処
UTM 機器を経由する事務所の通信 通信の検査、不正アクセスや不審な接続への対策
バックアップ 業務データ データが失われた場合や使えなくなった場合の復旧への備え

UTMが検査できるのは、原則として機器を経由する通信です。外出先から直接インターネットに接続するパソコンや、別回線を使う端末については、別途対策を考える必要があります。

今回の提案:通信の出入口と、異常に気づく体制を整える

現在の業務と今後の人数に合わせて選定

機器選びでは、従業員数だけでなく、パソコンや複合機などの接続台数、会計ソフトやクラウドサービスの使い方、回線速度も確認します。

今回は、従業員17人の事務所の利用状況に加え、今後5年程度の従業員増加も考慮して構成を検討しました。

通信の出入口で、不審な動きを検知・遮断

UTMを設置し、業務に合わせた設定を行うことで、不正なアクセスや危険な接続先への通信を検知・遮断する対策を加えます。

パソコン側の対策にネットワーク側の防御を重ねることで、情報漏洩や感染につながるリスクの低減を目指します。

社員様だけに監視を任せない運用

今回は、平日9時から17時までのSOCサービスを活用する提案です。SOCとは、セキュリティに関するログや通知を確認し、異常の兆候を見つけるための監視体制です。

外部の監視を取り入れることで、専任担当者がいない事務所でも、異常に気づくための体制を補いやすくなります。

監視対象、通知先、休日・時間外の扱い、異常発見後の対応範囲は、導入前に確認します。

導入によって期待できること

顧問先の情報が外部に流出するリスクを抑える

不正プログラムが外部と通信しようとした際に、設定や検知条件に応じて遮断できれば、情報流出のリスク低減につながります。

ただし、UTMですべての情報漏洩を防げるわけではありません。メールの誤送信や、正規アカウントの不正利用などにも、別の対策が必要です。

感染や不正通信による業務停止に備える

税理士法人では、申告期限や給与計算の日程など、業務を止めにくい時期があります。ネットワーク側の防御を加えることは、感染や不正通信による業務への影響を減らすための一歩になります。

あわせて、機器やソフトウェアの更新、認証の強化、バックアップと復旧手順を整えることも大切です。IPAも、ランサムウェアへの備えとして、複数の予防策とバックアップを案内しています。

顧問先に対策内容を説明しやすくなる

「ウイルス対策ソフトを入れています」に加え、通信の検査や監視体制についても説明できるようになります。

実施している対策を整理しておくことは、顧問先から情報管理について質問されたときにも役立ちます。

同じような悩みを持つ税理士法人・会計事務所様へ

今回の事例は、次のような事務所様の参考になります。

  • 顧問先の財務情報・給与情報・個人情報を扱っている
  • ウイルス対策ソフト以外の対策状況が分からない
  • ITやセキュリティの専任担当者がいない
  • 事務所移転やパソコンの入れ替えを予定している
  • 従業員や接続端末が増えてきた
  • 異常が起きたとき、誰に相談すればよいか決まっていない

「今の環境で何が足りないのか分からない」という段階でも大丈夫です。まずは、現在の構成と日々の業務を確認するところから始められます。

なぜ私たちは選ばれるか

株式会社エスアイエス・パートナーズでは、機器の仕様だけでなく、お客様が扱う情報と、実際に運用する方の負担を踏まえて提案します。

税理士法人の業務に合わせて考えます

顧問先の資料をどこに保存しているか、会計ソフトをどう使っているか、外出先からの接続があるか。こうした使い方を確認し、優先すべき対策を整理します。

移転や機器導入の際に、通信環境も確認します

今回も、事務所移転に伴う複合機の配線工事がきっかけでした。パソコンや複合機と、それらをつなぐ通信環境を合わせて考えることで、見落としやすい課題を確認します。

専任担当者がいない事務所の運用を考えます

高機能な機器でも、設定や通知の確認が続かなければ、十分に生かせません。監視サービスの活用や連絡先の整理など、日々の運用を続けやすくする方法も検討します。

将来の増員と契約期間も踏まえて提案します

現在の人数だけでなく、今後の増員や利用サービスの変化を考慮します。ライセンス期間、保守条件、更新時の費用も確認し、長期的に使うための構成をご案内します。

当社の取り組みについては、こちらのページをご覧ください。

対応可能エリア

全国の税理士法人・会計事務所様からのご相談に対応しています。訪問・設置・保守の方法や費用は、地域とご依頼内容に応じてご案内します。

北海道,青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県,新潟県,富山県,石川県,福井県,山梨県,長野県,岐阜県,静岡県,愛知県,三重県,滋賀県,京都府,大阪府,兵庫県,奈良県,和歌山県,鳥取県,島根県,岡山県,広島県,山口県,徳島県,香川県,愛媛県,高知県,福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県

よくあるご質問

税理士法人のセキュリティ対策は、何から始めればよいですか?

まずは、扱う情報、端末、インターネット回線、既存の対策、バックアップの状況を確認します。そのうえで、情報漏洩や業務停止につながりやすい課題から、優先順位を付けて改善します。

従業員が少ない会計事務所にもUTMは必要ですか?

UTMの必要性は、従業員数だけでは決まりません。扱う情報の重要性や通信環境、既存の対策によって判断します。顧問先の個人情報や企業情報を扱う事務所では、ネットワーク側の防御も検討する価値があります。

ウイルス対策ソフトとUTMの違いは何ですか?

ウイルス対策ソフトは主に各パソコンを守り、UTMは主に事務所の通信の出入口を守ります。守る場所が異なるため、組み合わせることで対策を補えます。

UTMを導入すれば、ランサムウェア被害を防げますか?

UTMはランサムウェア対策の一つですが、被害を完全に防ぐものではありません。不審な通信への対策に加え、端末保護、更新管理、認証の強化、バックアップなどを組み合わせて備えます。

IT担当者がいない税理士法人でも運用できますか?

外部の設定支援や監視サービスを利用することで、運用の負担を減らせます。導入時には、通知を受け取る方と、異常が起きたときの連絡先・対応手順を決めておくことが大切です。

平日9時から17時までの監視サービスは、24時間対応ですか?

今回ご案内している監視サービスの対応時間は、平日9時から17時までです。機器による通信の検査と、人による監視対応は別のものです。休日・時間外の対応や復旧支援の範囲は、契約内容によって異なります。

10GbE対応なら、セキュリティ検査も10Gbpsで行えますか?

10GbE対応は接続ポートの仕様です。セキュリティ検査時の処理性能とは異なり、実際の通信性能は、有効にする機能や通信内容、接続構成によって変わります。

NGTPの7年間契約は、本体保証も7年間という意味ですか?

セキュリティ機能の利用期間と、本体保証・交換対応などの保守期間は、別に確認する必要があります。導入時には、ライセンスの開始日・終了日と、保守の対象・期間をご案内します。

事務所移転の際に、セキュリティ対策も見直せますか?

はい。事務所移転は、回線、配線、複合機、パソコンの接続をまとめて確認できる機会です。業務で必要な通信を整理しながら、セキュリティ対策も見直せます。

税理士法人・会計事務所のセキュリティ対策をご相談ください

「今の対策で十分なのか知りたい」「社員に負担をかけずに見直したい」。そのようなご相談からお受けしています。

お問い合わせの際は、従業員数、パソコンの台数、現在の対策、気になっていることを分かる範囲でお知らせください。顧問先の個人情報や機密資料をフォームに記載する必要はありません。

税理士法人・会計事務所のセキュリティ対策を相談する

お客様のご要望に合わせて、最適な構成案や御見積書を個別に作成することも可能です。