2021.09.06 コラム

トナーカートリッジに半導体が付いていることをご存知ですか?あまり知られていませんが、実はトナーカートリッジにはICチップが付いていて、そのICチップに半導体がついているのです。このICチップの役割はトナーの残り寿命のモニタリングや、異なるモデル用のカートリッジを装着できないようにするなどユーザーに有益な情報を提供するためのものです。リサイクルトナーの製造時には、このICチップを新品のチップに交換したり、使用済みのICチップを初期状態に戻す(リセット)ことで再利用したりします。こうした作業を行うことで、お客様が新しいカートリッジをセットすると、プリンターは新しくトナーが補充されたことを認識しますから、トナーコウカン」のメッセージが表示されなくなります。一部のリサイクルトナーについては、このICチップを新品に交換したりリセットしたりすることができないものがあり、「条件付き」でリサイクルトナーを販売せざるを得ない場合もあります。今回取り上げるキヤノンのトナーカートリッジ057Hのリサイクル品はこの「条件付き」に該当します。

目次

  1. トナーカートリッジ057Hのリサイクル品はなぜ「条件付き」なのか?
  2. 「条件付き」を購入した場合の3つの注意点
  3. まとめ

1.トナーカートリッジ057Hのリサイクル品はなぜ「条件付き」なのか?

冒頭でもお伝えしましたが、キヤノンのトナーカートリッジ057Hリサイクル品は付属するICチップを新品に交換することも、使用済みのICチップをリセットして再利用することも現時点で出来ません。新品のICチップの開発やリセットは専門の会社が行っており、リサイクルトナーメーカーはそこに依頼します。その開発には非常に高度な技術が必要であり、057Hのチップの開発に現時点で技術が追い付いていません。057Hというカートリッジはずいぶん前に純正品が発売されましたが、リサイクルトナーの加工に必要なトナーパウダーなどの部材開発は終了しているにもかかわらず、ICチップだけが完成していないので、市場の要望にお応えして、今回はICチップを交換せずリセットもしない状態で出荷するという「条件付き」の販売となりました。

2.「条件付き」を購入した場合の3つの注意点

①必ず予備のカートリッジを準備しておいてください。

ICチップを交換していませんから、カートリッジの交換タイミングが分かりません。交換サインがプリンターにもパソコンのモニターにも表示されません。だんだんと印刷が薄くなり読み取れないほどになってから交換のタイミングが分かります。何度かカートリッジをプリンターから取り出して振って使うこともできますが、すぐに印刷は薄くなります。

②大量印刷を行う場合は、印刷の途中でトナーが無くなり印刷のやり直しをしなければなりません。

トナーが無くなっても印刷が継続されるので、大量印刷を行うと、途中から印刷が読み取れないくらいに薄くなったりかすれてしまい、印刷のやり直しをしなければならなくなります。

③ICチップの交換ができるようになった場合、製品価格がアップするかもしれません。

ICチップの開発には非常に費用が掛かりますので部品代が高価になる場合商品代金に上乗せされることが予想されます。

3.まとめ

いかがでしたか?「条件付き」の場合、営業が事前にお客様にその条件とは何かをご説明致します。ご納得いただいたお客様にはご販売致しますが、そうでない場合は純正品のご使用をご提案致します。

リサイクルトナーの一部モデルについてはこのような「条件付き」でしかご提供できないケースがございますので、ご理解の上お使い頂ければと思います。